学術委員企画

Webになっても日本臨床細胞学会雑誌を読もう!!

学術委員では、日本臨床細胞学会雑誌がWeb上での観覧方式に変更となり、「手に取って読む」ことから遠ざかり、論文を読む機会が薄れていくのではと危惧しております。そこで神奈川県細胞検査士会ホームページを活用し、日本臨床細胞学会雑誌各号から1論文を皆様にご紹介し、論文を読むきっかけにしていただけるよう企画を立ち上げました。

私たちが紹介する論文vol.1(日本臨床細胞学会雑誌2019 vol.58 No.1)

私が紹介する論文は「細胞診退色標本における再染色法の検討」である。 この論文の著者は大学の臨床検査科の先生である。学生の鏡検実習で使用する細胞診標本の退色に問題点を見いだし、質の高い教育を継続していくために貴重な標本を再染色する方法について論じている。  比較的塗抹が薄い標本はカバーガラスを外し脱色後、pH7.0前後の緩衝液を用いることで良好な染色が得られるが、著者が対象としている標本は子宮内膜や唾液腺穿刺吸引標本などのやや厚みのある標本である。  良好な再染色結果を得るために以下の4つの試薬について検討している。 ① 1%Tween20水溶液 ② 0.1%Tween20添加EA-50 ③ 1%リンタングステン酸・95%エタノール ④ 0.025%アンモニア・95%エタノール 上記の試薬を組み合わせ、再染色標本を5段階評価した結果、②③④を使用することで良好な染色性が得られることがわかり、推奨するプロトコールが掲載されている。  考察では退色の原理やリンタングステン酸の効果、分子量の異なる色素の染色原理やpHによる影響などがまとめられている。  学校に限らず臨床の現場においても、実習生や資格取得のためのティーチング標本は必ず保管され、時間とともに退色しているのが現状である。掲載されている推奨再染色プロトコールを検討してみてはいかがでしょうか。  その他にも興味深い論文が多数掲載されています。目次を見ていただき、気になる論文があれば是非とも一読していただければ幸いです。